Instagramで“フォロワー増だけ”を卒業する──

こんにちは、金本です。


海外向けにサービスを届けたい、あるいはインバウンド客をお店へ呼び込みたい――そんな相談を受けるたびに必ず飛んでくる質問があります。

「Instagramを始めたら、どれくらい売上が伸びますか?」

正直、この問いは粒度が粗すぎて答えようがありません。
ホームページを 30 万円かけて作ったからといって翌日から注文が殺到するわけではないように、Instagramも“作っただけ”では1円も生みません。にもかかわらず、SNSとなると誰もが数字に一喜一憂し、感情的になりがちです。

そこで本稿では、「フォロワー数と売上が直結しない理由」を解体しつつ、“お金を生む導線”の組み立て方をストーリー仕立てで解説します。図表は必要最低限にとどめ、文章で腹落ちできるように書きました。


1. フォロワー至上主義が危険なワケ

私は2年間でフォロワーを 10 万人以上獲得しましたが、運用初期には「集めた人たちをどう動かせばいいのか分からない」という壁にぶつかりました。大量のいいねとコメントに酔いしれても、カートは空っぽ。まさに“客寄せパンダ”状態です。


2. 経済効果を生む2つの車輪

2-1. 間接購買要因──Instagramは「信頼のショーケース」

名刺交換した相手が後日あなたのホームページを見に来たとき、
そこに一貫した世界観のInstagramが並んでいれば「この会社、芯があるな」と信頼度は一気に跳ね上がります。
つまりInstagramは、“買う前に背中を押す後押し材料”として機能します。

ポイントは、

  1. コンセプトを絞り
  2. 有益情報を惜しみなく全解放し、
  3. 投稿トーンをブレさせないこと。

海外向け観光アカウントなら、住所・アクセス・料金まで丸裸で載せるくらいがちょうどいい。情報量と一貫性こそが信頼残高になります。

2-2. 直接購買要因──Instagramを「広告装置」に変える

一方で「フォロワーがそのまま店に来て、商品を買う」という直接的な売上も狙えます。ただし難易度は高い。なぜなら、Instagramのタイムラインを眺めるユーザーは基本“ぼーっとして”いるからです。

この2つを満たさなければ、広告費はただのドブ捨てになります。


3. 売上までの4ステップ

Instagram経由の売上は、以下4段階を順番に乗り越える“長い旅”です。フォロワーはあくまで1マス目にすぎません。

  1. フォロワー増加
    • 鍵はリール。海外ユーザーは良質なリールに即フォローする傾向が強い。
  2. ストーリーズ閲覧
    • リールで惹きつけた人に、日常的な接触面を提供。エンゲージメント率が健康診断になる。
  3. リンク遷移
    • 魅せるデザインと“押したくなるコピー”でクリックを誘発。
  4. コンバージョン
    • LPでベネフィットを即提示し、迷わせない構成にする。

4つの数字がそろって初めてキャッシュが落ちる。どれか1つでも欠ければ収益は発生しません。

それぞれについてさらに詳しくは以下の記事を読んでください!


4. シミュレーション

では具体的に、フォロワー 2,000 人のアカウントがどれだけ稼げるのか試算しましょう。
※今回は旅館の宿泊予約を例にします。

指標想定値補足
ストーリーズ閲覧率20%400 人が閲覧
リンク遷移率10%40 人が LP へ
CVR5%2 件予約
客単価15,000 円海外旅行者は単価高め

週1回のプロモーションで3万円の売上
月4回なら 12 万円。さらに「友人同伴」で来店客が2倍になれば 24 万円に到達します。

数字を入れ替えれば、あなたのビジネスでも簡単に損益分岐が計算できます。


5. 数字で回すPDCA――改善ストーリー

たとえばストーリーズ閲覧率が突然 10% に落ちたらどうするか。
私はまず、リールの内容を振り返ります。

原因がリールにあると仮説を立てたら、翌週はテーマを1本に絞り、「保存したくなる」具体例を増量してテストします。
数字が戻れば仮説が当たり。戻らなければ次の要素──ストーリーズの構成やCTA──を疑う。こうして一番弱いネックを順番に潰していくのが正しいPDCAです。


6. まとめ──“測れる仕組み”が信頼と売上をつくる

  1. Instagramの役割は2つ
    • 間接購買要因(ブランディング)=信頼の貯金箱
    • 直接購買要因(広告)=キャッシュを生む装置
  2. 4ステップで数字を追え
    フォロワー → 閲覧 → クリック → コンバージョン。最も弱い数字だけを改善。
  3. UTMなしのリンクは存在しないのと同じ
    計測できなければ、投資ではなく寄付になる。

次にやること

フォロワー数に一喜一憂する時代は終わりました。“測れる仕組み”を手にした瞬間、あなたのInstagramは本物の経済装置へ変わります。

それではまた次回のコラムでお会いしましょう!

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